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BLACKSUNをウォッチ!

  • 執筆者の写真: 空想爆発ラボ
    空想爆発ラボ
  • 2022年11月20日
  • 読了時間: 6分

「賛否両論!でも楽しかった作品」

仮面ライダー50周年記念作品ということで制作された『仮面ライダーBLACK』のリブート企画でしたが、発表当時は主演キャストがあの西島秀俊と中村倫也だということで大いに盛り上がりました。こんな豪華俳優が仮面ライダーを演じるの!??と。

そして続々新キャスト発表が続き、吉田羊、濱田岳、ルー大柴などなど豪華な顔ぶれ。

何より監督がヤクザ・バイオレンス系の映画を作られてきた白石監督ということも話題に。

公開された予告も普段の「ニチアサ」とは全く違うテイストで期待が高まっていました。

(本編を見始めるとこれが賛否両論になるわけで…)

「いいグロ加減」

まずはなんと今回の「仮面ライダーBLACKSUN」はアマゾンプライムでの配信でしたが、R18(18歳未満は視聴しないでね)だったので、正直「え?そこまでなん!」と思いました。だってアマゾンズseason2よりも上ってことですよ。あれも十分グロかったのであれ以上なのか…と身構えてました。

見た結果ですが、グロ加減が意外にも嫌悪感を抱くようにはなっていなくて、むしろいい加減に止まっていました。1話の蜘蛛怪人と光太郎が変身した「黒殿様飛蝗怪人」のバトルで蜘蛛怪人のお腹を突き破って腸を引き出して逃げないようにして、首をもぎ取る残虐ファイト…。確かにやってることはやばいですが、いい意味で特撮チックな作り物感があったのが良かったです。グロさがいい塩梅でした。(スイカのように潰される愛のない今野など)

グロはそんなにならエロいのか?と思うでしょうがそっちはほとんど要素として無く。


「思想に悪影響?」

どこら辺がR18なんだって考えるとやっぱり思想的なところなんじゃないかと思います。

世界観的に怪人を人間が差別する社会。そこに愛はあるんか?でお馴染みの今野さんが見事に怪人差別団体のレイシストを演じられてます。そのレイシストたちがどうも現実で見たことあるような描かれ方がされていて、見ているとゾワっとします。

怪人もしくは怪獣と共存できるのか?というテーマのヒーローものは多くありましたが、BLACKSUNは怪人をそのまま何かしらのマイノリティに置き換えても違和感のないような直接的な演出をしてます。他にも国会でのシーンは明らかに現実のあの人やあの人を想起させるような演出がされていたり。あとは下ネタもそれなりにありましたね。

レイシストたちが雀怪人のシュンスケをリンチした挙句その子の家族の住んでいる家の軒先に死体を吊るすというショッキングなシーンもこれは18歳未満には見せられない…。

(あのあたり雰囲気が原作デビルマンの魔女狩りパート)


「純粋な正義のヒーロー不在」

原点の『仮面ライダーBLACK』はドラマはハードでしたが、主人公が正義でゴルゴムは倒すべき悪というヒーローものとしての形がありました。

今回の光太郎は出だしから原点の「若さ」とは反対の枯れたおっさん。

依頼を受けて日銭を稼ぐおそらく殺し屋をやって生活していました。

怪人のおじちゃんに対して暴行して金をふんだくるシーンもあって、とてもヒーローとは思えません。この時点で光太郎=純粋なヒーローではないんです。秋月伸彦もレイシストとはいえども人間である今野さんの頭をスイカのように潰すし、終盤ルー大柴演じる首相を蝙蝠怪人とコオロギ怪人が首をちょんぱするし。人の良さそうなノミ怪人もあんた改造手術してたやんけ!的なところとか。

あとは50年前に少年だった当時の首相を、目的のためにビルゲニアたちが拉致するのですが、その時若き頃の光太郎含め誰も「そこまでするのは可哀想だろ!」的なヒーロームーブを誰1人としてしないんです。衝撃なのは光太郎も「その口で小4までママのおっぱい飲んでたんだよな?」的な嫌味を言い放つのがなんとも…。全くヒーローじゃない笑


「画面の中は真面目でも、笑える」

今回の面白さはこういうところがなんやかんや一番な気がしてます。重厚な物語が進んでいるはずなのに何故か急にシュールな絵面が繰り広げられたりしました。

そんな面白シーンを思いつく限り列挙します。

・下級怪人たちが割と愛嬌のある見た目(雀怪人などを代表に)

・葵パパのカニ怪人にされた後のカニみたいな挙動

・重厚な世界観で言い放たれるキングストーンやサタンサーベル単語

・命の重さは地球以上

・改造してごめんなさいからの、いいよ色々あったんだろうし

・改造手術ってよくないことという共通認識だと思いきや、蝙蝠やクジラ、ニックのそこに対するちょっとカジュアルな認識。(怪人にされることって嫌なことじゃないの?)

・バイクちょっと遅くない?

・キングストーンってそんなにひょいって体から出せるの?


色々上げると面白シュールポイントが限りなくあります笑

一番個人的に気になるのは、光太郎は葵を怪人にされた怒りで覚醒するほどには「改造」をよくないことと思ってるみたいですが、一方でニックたちが焚き火をしながら交わしてたゆるすぎるもはやファッション的感覚で話す「改造」。認識の重さが違いすぎるのが面白いです。ノミ怪人は一応ビルゲニアに脅されて協力してたからか、本人的には「改造されたいなんて思うもんじゃないよ」的なスタンスだったと思うのですが、結局ニックのこと改造したのかな。

蝙蝠怪人が特にそうなのですが、みんな優しんだけどちょい悪なところがいいですよね笑

「え〜まだ10代で飲めないの?そっかこれ麦茶だから飲んでみ!」と言ってビールを飲ませるおっさんみたいな感じ。

あとは顔出しのビルゲニア。もう少し作品のトーンに合わせて再構成されるのかと思いきや異様にコスプレどの高い衣装に…。生き様はもっとも人間らしくてカッコよかったけども出てくると笑いが止まらなくなる存在でした。


「終わりの賛否両論」

かっこよく創生王を倒して葵と一緒に生きていく光太郎を見たかった感はありますが、キングストーンを手にしたせいで創生王に…。よくわからないですが、倒したはずの創生王の心臓が張ってきて、光太郎が心臓を拳でぶち破った瞬間光に包まれ…

次のカットではもう見た目がすっかり変わったBLACKSUN…。エキスが垂れ流されてました。もう意志を感じられない見た目になっていて、最後は葵に倒され砂のようになって消えました。ラストは光太郎が亡き後、残った怪人と一緒に身寄りがなかったりする子供を集めて戦闘訓練やら爆弾作りやらを始め、新生ゴルゴムの旗を掲げて終わる…。

葵はまだ「悪」じゃなかったですが、このラストでテロリストになって「悪」の道に進みました。ここがかなり見た人をざわつかせるポイントだったみたいです。


それにしても、この世界の怪人たちは改造手術なしじゃ誕生し得ない存在かと思ってましたが、葵の配信を見て驚く怪人がいたりするのはよくわからなかったですね。戦前に改造された人が人間との間に子供を作って…を繰り返してきたということ?



以上!


あとは主題歌がカッコよかった!!



















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